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政府が推進 “脱ハンコ”に鹿児島県内では賛否の声[10/14 19:59]

先月発足した菅内閣は、デジタル化推進の一環として、行政手続きでのハンコの使用を原則廃止することを検討しています。加速する「脱ハンコ」の動きに、県内からは期待と戸惑い、双方の声が上がっています。

(河野太郎行革相)「正当な理由がない行政手続きについては『ハンコをやめろ』ということを押し通そうと思う」

政府が検討を進める行政手続きの際のハンコの原則廃止。役所内の手続きだけでなく、婚姻届や離婚届への押印など、国民の暮らしにかかわる分野でもハンコが廃止され、電子署名や電子証明書での本人確認が検討されています。手続きの効率化が期待される一方、長年親しんできたハンコ文化も根強く、県内でも賛否は分かれます。

(27歳・パート)「(役所で)並んで時間を待つよりはスムーズにいくことを考えた方が良い。日本はインターネットの発展が遅れている方なので(脱ハンコで)進んでいかないとだめになる」

(50歳・介護福祉関係)「あまり簡素化されても安易に悪用されるかなと考えれば、脱ハンコは考える」

(69歳・無職)「ハンコがないと(仕事が)進まなかった。考えられない、ハンコがなくなることは」

一方、鹿児島市のハンコ販売店は冷静に受け止めつつも、ショックを隠せないといいます。

(ハンコ卸売センター鹿児島中央店 小林隆代表)「いずれはそうなるだろうなと思っていたが、面と向かって言われるとショック」

この店では、売上のおよそ4割が認印や実印などのハンコの販売。店の代表は「脱ハンコ」を見据えて名刺販売や看板のデザインなども手がけていますが、不安は大きいといいます。

(ハンコ卸売センター鹿児島中央店 小林隆代表)「印鑑屋とデザイン屋がどのようにして相乗効果を生んでいくかやっている。経営努力で時代に合わせて進化していかないといけない」

枕崎市で創業およそ100年の老舗はんこ店「昇文堂」を営む神田昇さん(82)。熟練の技で生み出されてる薩摩ツゲの枝を使ったオリジナルのハンコは、県内外から人気を集めていますが、今回の「脱ハンコ」の動きに危機感も抱いているといいます。

(ハンコ職人 神田昇さん)「省略して便利になればそれでいい。ハンコが悪者になっている。デジタルを阻害している風潮があるので。私としては不満な面がある」

一方、県内には「脱ハンコ」を積極的に進めている自治体もあります。肝付町では今年4月からパソコンでの電子決済システムを導入し、ハンコの使用を大幅に減らしました。さらに各課にICT担当を置くなどして業務電子化を進めています。

さらに14日は、役場と支所をオンラインで結んでペーパーレスで会議を開くなど、デジタル化も推進していて、職員は業務全体の見直しにもつなっていると話します。

(参加者)「管理職の立場から言わせてもらうと、ハンコのない分、電子決済は楽」

(肝付町 永野和行町長)「出張先から打ち合わせができたり、ファイルを開いて決済ができる。(国の脱ハンコは)ぜひしてもらい、われわれも来年は、きるものは廃止していく」

国が加速させた「脱ハンコ」の流れ。一方で長年の「ハンコ文化」とどう向き合うかや、新たなシステム構築によるコストなどの課題もあり、今後の行方が注目されます。


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