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出水市検討委始動 虐待問題の専門家「きちんと検証を」[10/16 19:32]

16日から始まった出水市の検討委員会、虐待問題の専門家は、鹿児島県の検証報告書では踏み込めていない点も多いとして、璃愛來ちゃんのあざが見過ごされた経緯など、市の委員会はきちんと検証すべきとくぎを刺します。

(川崎二三彦さん)「検証開始が事件のあと1年なのは少し遅い。本来なら県の報告より前に、出水市の取り組みを議論して欲しかった。検証をしっかりとしてもらうことには期待」

横浜市にある、子どもの虹情報研修センターの川崎二三彦センター長です。千葉県で去年1月、小学4年生の女の子が父親からの激しい虐待を受け死亡した事件で、県の検証委員会の委員長を務めるなど、児童虐待の問題を見つめ続けてきました。

出水市の今後の検証で注目するのは、半月ほどの間に璃愛來ちゃんが受診した2つの病院で見つかったあざや傷です。出水市の担当者はこのとき、最初の病院で母親が語ったという「テーブルの角に頭をぶつけた」との情報をうのみにしていました。

(川崎二三彦さん)「(1回目の)頭をうった傷と(2回目の)体にあちこちに傷があるというのは、これがいっしょのそのとき(1回目)の傷だと判断できるのか。身体的虐待を疑う必要がある。もう少し疑問をもってもらっても良かった」

虐待が疑われる場合、48時間以内に子どもの様子を確認するといういわゆる「48時間ルール」がこのとき守られず、担当者が璃愛來ちゃんに面談できたのは20日後。亡くなる2日前でした。

(川崎二三彦さん)「事故であれば(48時間ルールが必要との)発想は生まれない。転居前の自治体で要保護児童として支援する経過があった子どもが、交際男性と一緒に新しい環境で生活をしていく中で起きた。(あざや傷が)事故と片付けるには少し判断がどうだったのか」

川崎センター長は今後の検証に期待するとともに、県の検証報告書では必ずしも踏み込みきれていなかった課題にも注目しています。璃愛來ちゃんが以前住んでいた薩摩川内市で夜に「迷子」として警察に4回保護されながら、中央児童相談所が一時保護しなかった背景。県の報告書で頻繁に登場する「迷子」という言葉に、川崎センター長は強い違和感をおぼえています。

「関係機関全体が迷子という言葉を使えば、迷子以上のことを考えないニュアンス。子どもが一時的に放棄されている。それが繰り返されているのだと、こういう認識を持つことができたはず。迷子という認識だけでは、だめと考えなければいけなかった」

県は今週、昨年度の虐待の相談件数が、過去最多の2468件に上ったことを明らかにしました。子どもたちが直面している事実に、大人たちがいかに向き合うかという課題が璃愛來ちゃんの死によって改めてつきつけられるなか、出水市が今後、どのように検証を進めていくのか改めて問われています。


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