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新型コロナ重篤患者対応の“最後の砦” 大学病院・治療病棟は今[02/22 19:27]

新型コロナの治療に使われる病床は、鹿児島県内には375あり、このうち42が重症患者用です。そして、特に重篤な患者が鹿児島大学病院と鹿児島市立病院で受け入れられています。その県内のコロナ治療の“最後の砦”の一つ、鹿児島大学病院の病棟にカメラが入りました。

夜中に救急車で鹿児島大学病院に運ばれてきた、新型コロナ患者の男性。別の病院で治療中に重症化し、転院してきました。防護服姿の医師と看護師が、酸素投与しながら慎重に治療室へと運んでいきます。
鹿児島大学病院で受け入れた重症患者は、これまでに11人。県内のコロナ医療の“最後の砦”ともいわれる病棟にカメラが入りました。

(記者レポート)「ここから先は重症の方がいるエリア。ビニールのカーテンで仕切られていますが、この奥で治療が続いています」

院内にある重症者用の病床は5床。先月には3人が入院し、ひっ迫しかけた時期もありました。現在は高齢男性1人が入院しています。人工呼吸器が使えない重篤患者のための人工心肺装置「ECMO」が扱える県内でも数少ない医療機関で、39人のコロナ専任の看護師と、20人の医師が交代制で24時間、患者の治療や介助にあたっています。

患者がいる病室に入るには防護服が必要です。2人がかりで身に着け、さらにはヘアキャップに二重のゴム手袋。マスクは息が漏れないよう隙間をテープでふさぎます。チェックを終えると、病室へ。

看護師が撮影した病室の様子です。患者の高齢男性は新型コロナの影響で、もともとあった肺の疾患が悪化。重症や中等症の患者に使われる抗ウイルス薬のレムデシビルなどによって、男性の症状は改善しつつあるものの、今は人工呼吸器をつけるために睡眠薬が投与されています。

(看護師)「二重手袋で対応。ひとつの処置のたびに手袋を換えています」

容態が急変することもある重症患者。コロナ治療の責任者を務める鹿児島大学大学院救急集中治療科の垣花泰之教授です。患者の状態を別室のモニターで確認しながら、スピーカーで病室にいる医師や看護師らに指示を出します。

患者を仰向けに戻そうとしています。人工呼吸器や点滴の管に気をつけながら、患者の体をビニールシートにくるみ、動かします。

病室でのおよそ1時間の作業が終わりました。病室を出ると、ウイルスが広がらないよう、2人がかりで慎重に防護服を脱いでいきます。
長い時には3時間も防護服を着たままになるという過酷な状況です。

(看護師)「ドクターの数が限られ、患者の異常を発見した際、どう対応したらいいか瞬時に考えないといけないことが、負担でもあるが、やりがいにもつながっている」

一方で、患者の死と直面する場面もあるといいます。鹿児島大学病院でも新型コロナによって患者が亡くなりましたが、感染防止のために通常の葬儀ができません。
ほかの病院では家族に会えないまま火葬されるケースもあるなか、鹿児島大学病院では、1例目の死者が出た時から治療室の一室で家族とスタッフによる最期のセレモニーを開いています。
遺体を感染防止用の袋に入れるなどの対策をとったうえで、家族と”最後の面会”をします。

(山田優子看護師長)「家族が最期の節目を迎えられないのはどれだけの心痛か。これから生きていくために区切りをつけられる形、患者への治療を頑張った敬意を形にしたかった」

懸命に対策を取りながら、重篤化した患者の命と日々向き合っている医師や看護師たち。”最後の砦”の戦いは続いています。


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