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自衛隊が種子島で「離島奪還」訓練 その背景は?[11/25 20:00]

今月、鹿児島県内をはじめ全国各地で自衛隊の統合演習が行われています。訓練場所のひとつ、種子島では25日、離島奪還を想定した訓練が報道陣に公開されました。

陸上自衛隊の水陸両用車「AAV7」です。およそ10キロ沖合の海上自衛隊の輸送艦から、敵の攻撃を受けにくいよう煙の幕をはって上陸します。

自衛隊が今月19日から30日まで、全国各地で行っている統合演習。種子島では25日、他国に奪われた離島を奪還するという想定で、陸上自衛隊の水陸機動団の隊員500人などが参加し、訓練が公開されました。

水陸機動団が種子島で訓練をするのは2年ぶりです。また、こうした水陸両用車の発進拠点となる海上自衛隊の輸送艦「くにさき」の内部も公開されました。

25日は「LCAC」と呼ばれる海上自衛隊のエアクッション型の輸送艇の上陸訓練もあり、隊員たちは近くに敵がいることを想定し、周囲を警戒しながら浜に上陸しました。種子島ではこのほか、今回の統合演習の期間中、離島防衛を想定し、落下傘を使った降下訓練や、攻撃を電磁波で防ぐ「電子戦」の訓練などが行われています。

このような離島防衛を目的にした訓練の背景にあるとされるのが、海洋進出を進める中国の存在です。県内では先月、中国とロシアの海軍の艦艇あわせて10隻が、初めて大隅海峡を同時に通過。さらに、今月17日と18日には、中国海軍の艦艇が屋久島周辺の接続水域を通ったあと、4年ぶりに日本の領海に侵入しました。

国は馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍の訓練を移転させる計画です。計画が進む中での今回の訓練に、種子島の住民からは様々な声が聞かれます。

(30代主婦)「(訓練は)特に生活する上で支障ないので、気にならない。(地域が)活性化すればうれしい」

(40代会社員)「(離島は)本土と違って孤立しやすい。その意味では訓練をするのは当然のこと」

(30代公務員)「雇用や飲食店の活性化になればその方がいい。軍事的なことで何かあれば、ちょっと怖いところもある」

種子島では2015年に陸自の空挺団、2016年には地対艦ミサイル部隊の訓練など近年、毎年のように自衛隊や日米共同の訓練が行われています。住民から不安の声も聞かれる一方、自衛隊は「種子島の訓練拠点としての重要性」を強調します。

(陸自・水陸機動団団長 平田隆則陸将補)「(種子島ほど)実際的で大規模な訓練ができる環境はあまりない。実効的な抑止と対処の能力を持つことは、我が国の防衛にとって必要不可欠。大事。地元の人には理解してもらった上で、安全にしっかりと配慮して、引き続きこの素晴らしい環境で訓練していきたい」

離島防衛の重要性が強調される一方で、住民の不安をどう解消するか?課題も残っています。


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